使わないほうがよい場面
対象読者: サブエージェントを導入したが効果を感じられない方、どこまで委譲すべきか線引きしたい方
前提知識: 委譲の設計パターン の基礎
サブエージェントは万能ではありません。委譲そのものにコストがあり、それを上回る利益がなければ逆効果になります。
委譲にかかるコスト
| コスト | 内容 |
|---|---|
| 指示の作成 | 目的・入力・完了条件・出力形式を書く手間 |
| 前提の要約 | メインの文脈から必要分を抜き出す手間 |
| 結果の統合 | 返ってきた結果をメイン側で解釈する手間 |
| 往復の時間 | 起動から結果受け取りまでの待ち時間 |
短い作業では、このコストが作業そのものより大きくなります。
向かない3つの場面
1. 1〜2ステップで終わる作業
「このファイルの行数を数える」程度の作業に委譲は不要です。指示を書く時間で作業が終わります。
2. 細かい文脈を共有しながら進める作業
設計判断のように、途中の会話で少しずつ方針が固まっていく作業は委譲に向きません。前提を要約して渡す時点で、判断に必要なニュアンスが落ちます。
# 委譲に向かない例
「この設計、どちらの案がいいと思う?」
→ 判断材料が会話全体に散らばっており、要約すると本質が落ちる3. 責任の所在が曖昧になる作業
複数のサブエージェントに同じ範囲を任せると、どの結果を採用すべきか決められなくなります。担当範囲は重ならないように分けます。
多段の委譲は避ける
サブエージェントがさらにサブエージェントを呼ぶ構成は、各段で情報が要約されるため、元の意図から離れていきます。
メイン → サブ(要約1回目) → サブのサブ(要約2回目)
→ 最初の意図が2段階の要約を経て届く原則として1段に留め、それ以上必要ならオーケストレーションとしてメイン側で工程を分けます。
判断の目安
委譲の手間より、コンテキスト分離の利益が上回るかを基準にします。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 読む量が多く、結論だけ必要 | 委譲する |
| 独立した視点で確認したい | 委譲する |
| 数ステップで終わる | 委譲しない |
| 会話しながら方針を決める | 委譲しない |
まとめ
- 委譲には指示作成・前提要約・結果統合というコストがある
- 短い作業や、文脈を共有しながら進める作業には向かない
- 担当範囲が重なると、どの結果を採用するか決められなくなる
- 多段の委譲は意図が薄まるため、1段に留める
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