リモートMCPとローカルMCP
約10分
リモートMCPとローカルMCP
Section titled “リモートMCPとローカルMCP”MCPサーバーには2種類の「動き場所」があります。あなたのパソコンの中で動くローカルMCPと、インターネット上のサーバーで動くリモートMCPです。MCP公式ドキュメントでは、ローカルサーバーは主にstdio、リモートサーバーは主にStreamable HTTPで接続する構成として説明されています。[1]
まず「MCPサーバーはどこで動くか」という疑問から
Section titled “まず「MCPサーバーはどこで動くか」という疑問から”MCPを学ぶと、こんな疑問が生まれます。
「MCPサーバーって、私のパソコンの中にあるの?それともFigmaのサーバーにあるの?」
この疑問の答えが、ローカルMCPとリモートMCPの違いです。
MCPサーバーが動く場所によって、接続方法・セキュリティ・セットアップの手間がまったく異なります。
ローカルMCP:あなたのパソコンで動く
Section titled “ローカルMCP:あなたのパソコンで動く”ローカルMCPは、あなたのパソコン(ローカル環境)上でMCPサーバーが起動する方式です。
AIアプリ(ホスト)とMCPサーバーは、同じパソコンの中で**標準入出力(stdio)**を通じて通信します。「標準入出力」とは、プログラム同士がテキストを受け渡しするための仕組みです。MCP公式ドキュメントは、stdioを同一マシン上のローカルプロセス間通信向けトランスポートとして説明しています。[1]
ローカルMCPの仕組み
Section titled “ローカルMCPの仕組み”あなたのパソコン
┌─────────────────────────────────────────┐
│ Claude Desktop(AIホスト) │
│ ↕ stdio通信(プロセス間通信) │
│ ファイルシステムMCPサーバー │
│ ↕ │
│ 📁 あなたのファイル │
└─────────────────────────────────────────┘
インターネット接続:不要ローカルMCPの具体例
Section titled “ローカルMCPの具体例”| MCPサーバー | 何ができるか |
|---|---|
| ファイルシステムMCP | パソコン内のファイルを読み書きする |
| Git MCP | ローカルのGitリポジトリを操作する |
| SQLite MCP | ローカルのデータベースに問い合わせる |
| ブラウザ MCP | ローカルのブラウザを操作する |
ローカルMCPの特徴まとめ
Section titled “ローカルMCPの特徴まとめ”| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 動作場所 | あなたのパソコン |
| 通信方式 | stdio(標準入出力) |
| インターネット | 不要 |
| セキュリティ | 高い(外部に情報が出ない) |
| 設定の手間 | やや高い(インストールが必要) |
| 使い始めのハードル | 中〜高(コマンドライン操作が必要な場合も) |
リモートMCP:インターネット上のサーバーで動く
Section titled “リモートMCP:インターネット上のサーバーで動く”リモートMCPは、サービス提供者のサーバー上でMCPサーバーが動いている方式です。あなたのパソコンにサーバープロセスを置かず、インターネット経由でAIアプリとMCPサーバーが通信します。
通信には Streamable HTTP が使われ、ストリーミングが必要な場合はServer-Sent Events(SSE)も利用できます。MCP公式ドキュメントは、Streamable HTTPをリモートサーバー通信向けのトランスポートとして説明しています。[1]
リモートMCPの仕組み
Section titled “リモートMCPの仕組み”あなたのパソコン インターネット上
┌─────────────────┐ ┌──────────────────────┐
│ Claude Desktop │ ←─HTTP─→ │ Figma MCPサーバー │
│(AIホスト) │ │(Figmaが運営) │
└─────────────────┘ │ ↕ OAuth認証 │
│ 📐 Figmaデータ │
└──────────────────────┘
インターネット接続:必要FigmaのNative MCPで理解するリモートMCP
Section titled “FigmaのNative MCPで理解するリモートMCP”Figmaは2025年にDev Mode向けMCPサーバーをベータ公開し、その後Figma MakeなどからリモートのAI coding agentやIDEが利用できる方向へ拡張したと報じられています。[2] ここでは、リモートMCPを理解するための例としてFigmaを扱います。
Figma Native MCPとは何か
Section titled “Figma Native MCPとは何か”Figmaは、UIデザインツールです。デザイナーはFigmaでボタン・レイアウト・アイコンなどを作ります。
従来、AIがFigmaのデータを使いたい場合は、開発者が独自に「FigmaのAPIを呼び出す仕組み」を作る必要がありました。FigmaのMCPサーバーにより、MCPクライアント経由でFigmaのデザイン情報やFigma Makeのコード文脈へアクセスする流れが紹介されています。[2]
対応するAIアプリが、MCPクライアント経由でFigmaのデータにアクセスできる
接続の流れ(初心者向け)
Section titled “接続の流れ(初心者向け)”- 対応するAIアプリにFigma MCPサーバーの接続情報を設定する
- Figma側の認証・権限付与を行う
- AIアプリがMCP経由でFigmaのデータを参照できるようになる
リモート方式では、ローカルMCPサーバーを自分のパソコンへインストールする必要はありません。
MCPのSkills(ケイパビリティ):Figmaを例にした現実の具体例
Section titled “MCPのSkills(ケイパビリティ):Figmaを例にした現実の具体例”MCPサーバーが提供する機能をSkills(MCP用語では「ケイパビリティ」)と呼びます。3種類あります。それぞれをFigmaの例で具体的に見てみましょう。
Tools(ツール):AIが「実行」できる操作
Section titled “Tools(ツール):AIが「実行」できる操作”ToolsはAIが呼び出して何かを実行する機能です。ファイルの作成・更新・削除など、実際に何かが変わる操作です。
Figmaで考える例
| 操作タイプ | 何が起きるか | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 作成系 | 新しい画面や要素を作成する | 「ログイン画面のたたき台を作って」 |
| 更新系 | 既存の要素(テキスト・色など)を変更する | 「このボタンの色をブランドカラーに合わせて」 |
| 仕様生成系 | デザイン情報をもとに実装メモを作る | 「このコンポーネントの実装仕様をまとめて」 |
日常生活に例えると:「Toolsはロボットに『棚に物を置いて』と指示するようなもの。実際に物が動く(副作用がある)」
ポイント: Toolsは「何かをする」操作なので、実行前に確認画面が表示されることがあります。
Resources(リソース):AIが「読む」データ
Section titled “Resources(リソース):AIが「読む」データ”Resourcesは読み取り専用のデータです。変更は伴いません。
Figmaで考える例
| リソース | 取得できるもの | 使い方の例 |
|---|---|---|
| Figmaファイル一覧 | 自分のプロジェクト・ファイルの一覧 | 「どんなプロジェクトがある?」 |
| コンポーネント情報 | ボタン・カードなどのコンポーネント仕様 | 「ボタンのデザイン仕様を教えて」 |
| フレーム構造 | 画面のレイアウト・階層情報 | 「ログイン画面の構造を確認して」 |
日常生活に例えると:「Resourcesはロボットに『棚を見て』と指示するようなもの。物は動かない(副作用なし)」
ポイント: Resourcesは「情報を見るだけ」なので、Toolsより安全です。
Prompts(プロンプト):定型作業を「ワンクリック化」
Section titled “Prompts(プロンプト):定型作業を「ワンクリック化」”Promptsは、よく使う質問・指示をテンプレートとして保存しておく機能です。
Figmaで考える例
| Prompt名 | 実行されること |
|---|---|
design_review | 「このFigmaデザインをアクセシビリティの観点でレビューして」を自動実行 |
generate_component_spec | 「このコンポーネントの実装仕様書を生成して」を自動実行 |
日常生活に例えると:「Promptsは、よく注文するランチをお気に入り登録しておくようなもの。ワンタップで同じ指示が実行できる」
他のサービスでも見てみよう:リモートMCPの例
Section titled “他のサービスでも見てみよう:リモートMCPの例”Figma以外にも、WebサービスとAIアプリを接続するためにリモートMCPサーバーを使う設計が増えています。次の表は、MCPのTools/Resourcesの考え方をサービス別に当てはめた概念例です。
| サービス | Toolsの例 | Resourcesの例 |
|---|---|---|
| GitHub | create_issue(Issue作成), merge_pr(PRマージ) | リポジトリ構造、ファイル内容 |
| Slack | send_message(メッセージ送信), create_channel(チャンネル作成) | チャンネル履歴、メンバー一覧 |
| Notion | create_page(ページ作成), update_block(ブロック更新) | ドキュメント内容、データベース |
ローカルとリモートの違いを一覧で比較
Section titled “ローカルとリモートの違いを一覧で比較”| 比較項目 | ローカルMCP | リモートMCP |
|---|---|---|
| どこで動く | あなたのパソコン | インターネット上のサーバー |
| 通信方式 | stdio | Streamable HTTP(必要に応じてSSE) |
| インターネット不要 | ✅ | ❌ |
| インストール不要 | ❌ | ✅ |
| プライベートデータ向き | ✅(外に出ない) | ⚠️(サーバーに送信される) |
| 常に最新状態 | ❌(手動更新) | ✅(サービス側が管理) |
| 代表例 | ファイルシステム、Git、SQLite | Figma、GitHub、Slack |
どちらを選ぶべきか
Section titled “どちらを選ぶべきか”ローカルMCPが向いているケース
- パソコン内のファイルや非公開データにアクセスしたい
- インターネットに接続できない環境で使いたい
- 機密情報を外部サーバーに送りたくない
リモートMCPが向いているケース
- FigmaやSlackなどWebサービスのデータにアクセスしたい
- セットアップを簡単に済ませたい
- 常に最新機能を使いたい(サービス提供者が更新してくれる)
両方を同時に使うこともできます。同じHostが複数のMCPサーバーへ接続する構成は、MCP公式ドキュメントのアーキテクチャ説明にも含まれます。[1]
- ローカルMCP: あなたのパソコン上で動き、stdioで通信。ファイルやローカルDBなどに向く
- リモートMCP: インターネット上のサーバーで動き、Streamable HTTPで通信。WebサービスのAPIに向く
- Figma MCP: リモートMCPを理解するための代表的な事例の一つ
- Tools/Resources/Prompts: MCPサーバーが提供する機能の3分類。それぞれ「実行・読み取り・テンプレート」の役割がある[3]
よくある質問
Section titled “よくある質問”Q: ローカルMCPとリモートMCPを同時に使えますか?
A: はい、使えます。MCPのアーキテクチャでは、Hostが複数のMCPサーバーへの接続を管理できます。[1]
Q: 自分でリモートMCPサーバーを作れますか?
A: 作れます。Streamable HTTPに対応したサーバーを実装し、MCPプロトコルに従えばリモートMCPサーバーとして動作します。[1] ただし、ローカルMCPより認証・ネットワーク・運用の設計が複雑になります。
- MCPのアーキテクチャ — Host・Client・Serverとトランスポート
- MCPのケイパビリティ — Tools・Resources・Promptsの違い
- Model Context Protocol, Architecture overview
- The Verge, Figma made its design tools more accessible to AI agents, 2025年9月23日
- Model Context Protocol, What is the Model Context Protocol?