AI・機械学習を学ぶ
AI(人工知能) は、2026年現在のエンジニアリングにおいて避けて通れない領域です。ChatGPT・Claude・Gemini などの生成AIが日常的に使われるようになった今、「AIが何をしているのか」「どんな仕組みで動いているのか」を理解することは、エンジニアとして大きな強みになります。
このセクションでは、AI・機械学習の基礎概念から、生成AI、RAG、ファインチューニング、評価、AIエージェント、AIツールの拡張を可能にするプロトコル「MCP」まで、ゼロから体系的に学べます。
このセクションで学べること
Section titled “このセクションで学べること”AI・機械学習・ディープラーニングがどのような関係にあるのかを整理し、それぞれの基本概念を学びます。
- 機械学習とは — データからパターンを学ぶ仕組みと、従来のプログラミングとの違い
- ディープラーニングとは — ニューラルネットワークの仕組みと、LLM(大規模言語モデル)の概要
- 学習パラダイム — 転移学習・ファインチューニング・連合学習など、現代の実践的な学習手法
LLM、推論モデル、プロンプトエンジニアリング、コンテキストエンジニアリング、ハーネスエンジニアリングなど、生成AIを使いこなすための基礎を学びます。
- 生成AIとは — テキスト・画像・音楽・動画を生成するAIの全体像
- LLMとは? — 大規模言語モデルの仕組みと歴史
- 生成AIモデルと知能指標 — モデルの種類、IQ風スコア、実務で見るべき能力
- ハーネスエンジニアリング — AIをツール・権限・検証へ接続する設計
LLMに外部文書を検索させ、根拠に基づいて回答させるRAGの仕組みを学びます。社内文書、最新情報、専門資料をAIに安全に参照させたい場合の基礎から、Agentic RAGやコードRAGまで扱います。
- RAGとは — RAGの基本フロー、設計、評価、直近のベストプラクティス
- RAGの歴史 — 検索、QA、RAG原論文、Advanced RAGまでの発展
- RAGアーキテクチャパターン — Naive RAG、Advanced RAG、Graph RAGなどの使い分け
- Agentic RAGとは — エージェントが検索計画、再検索、検証を行う設計
- コードRAGとコーディングエージェント — リポジトリ検索、構造化チャンク、テスト実行との関係
- 埋め込みとベクトル表現 — テキストをベクトル化して意味検索する仕組み
- 検索手法の比較と選択 — BM25、ベクトル検索、ハイブリッド検索、リランキングの使い分け
- チャンク戦略 — 文書を検索しやすい単位に分割する設計
- ベクトルDBの選び方 — RAGで使うベクトルデータベースの比較
- RAGの今後 — 長文コンテキスト、権限、評価、エージェント化を踏まえた将来像
LLMの振る舞いやスタイルを追加学習で調整する方法を学びます。RAGやプロンプトでは解決しにくい、出力形式・専門タスク・モデル軽量化の設計を扱います。
- ファインチューニングとは — 基本概念とRAG・プロンプトとの使い分け
- ファインチューニング手法 — Full Fine-tuning、LoRA、QLoRA、Adapterの比較
- データ準備 — 学習データの収集、整形、品質管理
- 知識蒸留 — 大きなモデルの知識を小さなモデルへ移す方法
AIモデルやLLMアプリを本番で使う前に、品質・安全性・業務適合性を測る方法を学びます。
- AI評価とは — 自動評価、人間評価、LLM-as-a-Judgeの全体像
- AI評価フレームワーク — LM Evaluation Harness、Ragas、DeepEvalなどの比較
- 業務適合性の評価 — 実業務のタスク達成率、コスト、ROIを測る考え方
- 一貫性と信頼性の評価 — 同じ入力に安定して答えられるかを検証する方法
- Human-in-the-Loop評価 — 人間の判断を評価プロセスへ組み込む設計
- 安全性評価 — 有害出力、プロンプトインジェクション、情報漏洩リスクの検証
AIがツールを使い、計画し、複数ステップの作業を進める仕組みを学びます。
- AIエージェントとは — エージェントの基本構成とReActループ
- エージェントフレームワーク — LangGraph、CrewAI、AutoGen、OpenAI Agents SDKなどの比較
- オーケストレーション — 複数エージェントやワークフローを整理する設計
- AIエージェントとMCP — 外部ツール接続とMCPの関係
AIモデルが外部ツールやデータと連携するための標準規格「MCP」を学びます。Claude Code や Claude Desktop がなぜ多様なツールと連携できるのか、その仕組みを理解できます。
- MCPとは — AIと外部ツールをつなぐプロトコルの概要
- なぜMCPが必要か — M×N統合問題とMCPによる解決策
- MCPのアーキテクチャ — Host・Client・Serverの3層構造
- MCPのケイパビリティ — Tools・Resources・Promptsの違いと使い分け
AIシステムを安全・倫理的・法的に適切な方法で活用するための意思決定体制・ポリシー・プロセスを学びます。NIST AI RMF・EU AI Act・ISO/IEC 42001 などの主要フレームワークと、生成AI時代に対応するアジャイルガバナンスのアプローチを扱います。
- AIガバナンスとは — ガバナンスの基礎概念、主要フレームワーク、ガバナンスの3層構造
- アジャイルAIガバナンス — 変化の速いAI環境に対応する Living Policy・スプリントベースリスク管理・継続的コンプライアンスの実践
公平性・透明性・説明可能性・プライバシー・アカウンタビリティの5原則を軸に、AIを倫理的・社会的責任を持って開発・運用・活用するための考え方と実践を学びます。EU AI Act・NIST AI RMF・Constitutional AI など主要な規制とアプローチも扱います。
- 責任あるAIとは — 5つの中核原則、AIバイアスの種類、EU AI Act・NIST AI RMFの概要
生成AIに固有のセキュリティリスクを理解し、攻撃手法から防御フレームワーク・ガードレール実装まで体系的に学びます。プロダクトにAIを組み込む開発者に必要な知識を扱います。
- 主要な攻撃手法 — プロンプトインジェクション・脱獄・データポイズニング・モデル逆転攻撃の仕組み
- セキュリティフレームワーク — OWASP LLM Top 10・NIST AI 600-1・MITRE ATLASの比較
- OWASP Agentic AI フレームワーク — AIエージェント専用の10脅威カテゴリと緩和策
- エージェントセキュリティ — ツール悪用・コンテキスト汚染・MCPセキュリティの設計
- ガードレールの仕組みと実装 — 入力・出力・実行ガードの設計パターンと実装例
AI・機械学習の技術理解から一歩進み、組織・経営レベルでのAI推進を学びます。戦略立案・推進体制構築・PoC定着・スケーリング・定着化まで5フェーズで体系化しています。
- AIトランスフォーメーションとは — 定義・背景・DXとの違い・70%の企業が「活用」に留まる構造的原因
- AI成熟度モデル — Gartner・IBM・NISTを参考に再構成した5段階の簡易診断
- AI COEとは — AI推進専門組織の役割・形態・立ち上げ方
- PoC倒れを防ぐ仕組み — Production-Backward設計と5大原因への対策
- AIのスケーリング — パイロットから全社展開への技術・組織的障壁の克服
どの順番で学ぶか
Section titled “どの順番で学ぶか”AI・機械学習の基礎から始めたい場合
Section titled “AI・機械学習の基礎から始めたい場合”まずは「機械学習とは」から読み始めてください。AI・機械学習・ディープラーニングの関係を整理してから、それぞれの詳細に進むのがスムーズです。
- 機械学習とは — AIと機械学習の違い・3種類の学習方法
- ディープラーニングとは — ニューラルネットワークとLLMの仕組み
- 学習パラダイム — 転移学習・ファインチューニングなどの実践的手法
生成AIを実務で使いたい場合
Section titled “生成AIを実務で使いたい場合”LLMの仕組みを理解してから、モデル選定、プロンプト、コンテキスト、ハーネス、RAGへ進むと、チャット利用から実務設計へつなげやすくなります。
- 生成AIとは — 生成AIの全体像
- LLMとは? — 大規模言語モデルの基本
- 生成AIモデルと知能指標 — モデル選定の考え方
- プロンプトエンジニアリング — 指示文の設計
- コンテキストエンジニアリング — 必要情報の渡し方
- ハーネスエンジニアリング — 実行・検証環境の設計
- RAGとは — 外部文書に基づく回答生成
- AI評価とは — 品質を測る基準
MCPを実践的に使いたい場合
Section titled “MCPを実践的に使いたい場合”Claude Code などのAIツールをより深く活用したい方は「MCPとは」から始めてください。
- MCPとは — 概要と基本概念
- なぜMCPが必要か — 解決する問題の背景
- MCPのアーキテクチャ — 仕組みの詳細
- MCPのケイパビリティ — 実際にできること
このセクションを読む前に
Section titled “このセクションを読む前に”特別な数学の知識は必要ありません。高校数学レベルの関数・確率の概念があると理解がさらに深まりますが、概念の把握を目的とするなら読み進めることができます。
エンジニアリングの基礎(ターミナル操作・Git)は必須ではありませんが、エンジニアリング入門 を先に読んでおくとより実践的な理解ができます。