AIエージェントスタックの全体像
対象読者: AIエージェントに関わる用語(RAG・MCP・Memory・Skills・Hooksなど)を整理して理解したい方、実務でどの技術がどこに位置づくかを把握したい方
前提知識: プロンプトエンジニアリング・コンテキストエンジニアリング・ハーネスエンジニアリング・ループエンジニアリング の基礎
AIエージェントスタックとは、生成AIモデルを実務で動くAIエージェントへと組み上げるために必要な、代表的な構成要素(レイヤー)の集まりです。RAG・Memory・Tools・MCP・Skills・Hooksなど、AIエージェント関連の記事でよく登場する用語を、1枚の地図として整理します。
なぜ全体像が必要か
AIエージェントに関する用語は数多くありますが、それぞれが「何を解決するための仕組みか」を理解しないまま個別に学ぶと、全体像を見失いがちです。プロンプトエンジニアリング・コンテキストエンジニアリング・ハーネスエンジニアリング・ループエンジニアリングで扱った「指示・情報・実行環境・反復構造」という4層構造をさらに具体化すると、実務でよく使われる12の要素に分解できます。
AIエージェントスタックの12要素
| # | 要素 | 役割 | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 1 | RAG | 回答前に外部知識を取り込む | RAGとは |
| 2 | Context | モデルが今この瞬間に参照できるすべての情報 | コンテキストエンジニアリング |
| 3 | Memory | ターンやセッションをまたいで保持される記憶 | メモリとは |
| 4 | Agent | 応答するだけでなく、自ら行動するAI | AIエージェントとは |
| 5 | Agentic AI | 計画・判断・自己修正まで行うシステム | エージェンティックAIとは |
| 6 | Tools | エージェントが呼び出せる外部機能 | ツール利用とは |
| 7 | MCP | ツールとデータをつなぐ共通の標準規格 | MCPとは |
| 8 | Skills | 必要なときに読み込まれる再利用可能なノウハウ | スキルとは |
| 9 | Hooks | 決められたタイミングで発火するトリガー | フックとは |
| 10 | Subagents | メインのエージェントが仕事を任せる補助エージェント | サブエージェントとは |
| 11 | Orchestration | 複数ステップのワークフロー全体を調整する | オーケストレーションとは |
| 12 | Eval | システムが実際に機能しているかを測定する | AI評価とは |
レイヤーの関係
graph TD
RAG["RAG\n外部知識の取り込み"] --> Context["Context\n今見えている情報"]
Memory["Memory\nセッションをまたぐ記憶"] --> Context
Context --> Agent["Agent / Agentic AI\n判断・行動"]
Skills["Skills\n再利用可能な手順"] --> Agent
Agent --> Tools["Tools\n外部機能の呼び出し"]
Tools --> MCP["MCP\n接続の標準規格"]
Agent --> Subagents["Subagents"]
Subagents --> Orchestration["Orchestration\n全体の調整"]
Hooks["Hooks\n自動トリガー"] -.-> Agent
Orchestration --> Eval["Eval\n成果の測定"]- RAG・Context・Memory は、エージェントが「何を知っているか」を決める入力側のレイヤーです
- Agent・Agentic AI・Tools・MCP・Skills は、エージェントが「何をできるか」を決める実行側のレイヤーです
- Hooks は、実行の節目に自動処理を挟み込む仕組みです
- Subagents・Orchestration は、複数の作業単位をどう分担・調整するかを扱います
- Eval は、これら全体が実際に機能しているかを検証します
まとめ
- AIエージェントスタックは、AIエージェントを構成する代表的な12のレイヤーを整理した地図
- 入力(RAG・Context・Memory)、実行(Agent・Tools・MCP・Skills)、制御(Hooks・Subagents・Orchestration)、検証(Eval)に大別できる
- 個々の要素は独立した技術ではなく、組み合わさって1つのAIエージェントを形づくる
クイズ