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日本語→英語の翻訳同期をAIで進めた仕組みとうまくいかなかったパターン

はじめに

このサイトは日本語を一次情報源とし、英語版はその翻訳として管理しています。記事数が増えてきたとき、手動での翻訳管理は現実的でないと判断し、AIを使った翻訳同期の仕組みを構築しました。この記事では、その仕組みの流れと、実際に発生した問題と対処方法を整理します。

翻訳同期の流れ

現在の翻訳同期は、次の順序で進めています。

  1. 日本語版の記事を作成・確定する(src/content/blog/ja/
  2. i18n-syncスキルを使って英語版に翻訳する(src/content/blog/en/
  3. 翻訳結果をレビューし、問題があれば修正する
  4. 日英両方の品質確認が終わったら公開する

「日本語を先に確定させてから英語に翻訳する」という順序は、日本語が一次情報源であることを保つために重要です。英語版を先に書いて後から日本語にするという逆の手順は、内容のずれが生じやすいため採用しませんでした。

うまくいかなかったパターン

仕組みを運用する中で、3つの問題が繰り返し発生しました。

意訳されすぎて原文のニュアンスが変わった

日本語で「確認すべき注意点」と書いた箇所が、英語では “pitfalls to avoid” と翻訳されることがありました。意味は近いですが、「pitfalls」は比喩的な危険表現であり、このサイトの表現ポリシーでは避けたい言葉です。

また、日本語で断定を避けた「〜と考えられます」という表現が、英語では確定的な “this is” という形になることもありました。著者の判断の根拠を「推測・解釈」として書いた日本語の意図が、英語版では消えてしまいます。

この問題への対処として、翻訳指示に「意訳ではなく直訳に近い形を維持する」「著者の推測・解釈を示す表現(might, I believe, in my view など)を対応する箇所に維持する」を追加しました。

見出し構造が変わって記事の流れが変わった

日本語で「## 問題が発生した経緯」「## 対処方法」「## 結果」という3つのH2見出しがあった記事で、英語版では「## Background and Resolution」という1つのH2に統合されたことがありました。

見出し構造が変わると、記事の論理的な流れが変わります。「経緯」「対処」「結果」はそれぞれ異なる目的のセクションであり、統合することで読者が情報を追う際の道標がなくなります。

この問題への対処として、翻訳ルールに「見出しのレベルと順序を日本語版と一致させる、セクションを統合・省略・追加しない」を明示するルールを追加しました。

専門用語の翻訳が記事によって一貫しなかった

このサイトで使う「ハーネス(harness)」という用語が、ある記事では “framework”、別の記事では “scaffold”、さらに別の記事では “harness” とそのまま残るという状況が発生しました。

用語が記事によって異なる英語に翻訳されると、読者がサイト全体で用語の意味を一貫して理解しにくくなります。検索でも、同じ概念を指す用語が記事ごとに異なると、関連記事を探しにくくなります。

この問題への対処として、翻訳対象外とする用語リストを作りました。「harness」「frontmatter」「SKILL.md」「CLAUDE.md」といったサイト固有の用語は、日本語でカタカナ表記されていても英語版でそのまま維持するルールにしました。

現在の翻訳品質の確認方法

翻訳後のレビューでは、次の点を確認しています。

  • 見出しレベルと順序が日本語版と一致しているか
  • 著者の推測・解釈を示す表現が対応する箇所に維持されているか
  • サイト固有の用語が一貫した形で使われているか
  • 英語版で we/our/us が著者一人称として使われていないか(I を使う)

まとめ

日本語→英語の翻訳同期でAIを使う場合、「意訳されすぎる」「見出し構造が変わる」「専門用語の翻訳が一貫しない」という3つの問題が発生しやすいです。翻訳ルールに「直訳優先」「見出し構造の維持」「サイト固有用語の翻訳対象外設定」を明示することで、これらの問題を減らせます。