ドメインとDNS
「www.example.comを入力すると、なぜ正しいサーバーに繋がるのか?」この仕組みを支えているのが DNS です。ドメインとDNSを理解することで、独自ドメインの設定やネットワークトラブルのデバッグができるようになります。
対象読者: ウェブの基礎を学んでいる方、独自ドメインの設定に興味がある方
学習時間の目安: 読了 10分 + 実践 5分
前提知識: インターネットとは何か(IPアドレスの概念)
ドメイン名とは
Section titled “ドメイン名とは”ドメイン名(Domain Name)とは、インターネット上のサーバーに割り当てられたIPアドレスに対応する、人間が読みやすい名前です。
サーバーの実際の住所はIPアドレス(例:93.184.216.34)ですが、毎回数字の羅列を入力するのは不便です。そこで「example.com」のような覚えやすい名前を使えるようにしたのがドメイン名です。
ドメイン名の構造
Section titled “ドメイン名の構造”ドメイン名はいくつかのパーツで構成されています。
blog.example.com
│ │ │
│ │ └── TLD(トップレベルドメイン)
│ └────────── セカンドレベルドメイン(SLD)
└─────────────── サブドメイン| パーツ | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| TLD(トップレベルドメイン) | .com、.jp、.io | ドメイン名の末尾。種類と目的による分類がある |
| セカンドレベルドメイン | example | ユーザーが取得・登録する名前の部分 |
| サブドメイン | blog、www、api | 同一ドメイン内でサービスを分けるための接頭辞 |
TLDの種類
Section titled “TLDの種類”TLD(Top-Level Domain、トップレベルドメイン)にはさまざまな種類があります。
| TLD | 意味・用途 | 例 |
|---|---|---|
.com | 商業(Commercial)。最も一般的 | google.com・github.com |
.org | 組織(Organization)。非営利団体など | wikipedia.org |
.net | ネットワーク(Network)。ISPなど | speedtest.net |
.io | イギリス領インド洋地域のccTLD。テック系サービスで人気 | github.io |
.jp | 日本(Japan)の国別コードTLD(ccTLD) | nhk.jp・go.jp |
.gov | アメリカ政府機関専用 | nasa.gov |
.edu | 教育機関専用 | mit.edu |
ccTLD(Country Code TLD)は国・地域ごとに割り当てられたTLDです。.jp(日本)・.uk(イギリス)・.de(ドイツ)などがあります。
DNS(Domain Name System)とは、ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組みです。
電話帳に例えると分かりやすいです。「田中さん」という名前から電話番号を調べるように、DNSは「example.com」というドメイン名から「93.184.216.34」というIPアドレスを調べる役割を担います。
DNS解決の流れ
Section titled “DNS解決の流れ”ブラウザがwww.example.comにアクセスするとき、以下の手順でIPアドレスが解決されます。
① [ブラウザのキャッシュ確認]
以前に訪問したことがあれば、キャッシュからIPアドレスを取得
→ キャッシュにない場合は次のステップへ
↓
② [OSのキャッシュ・hostsファイル確認]
OSが保持するキャッシュと /etc/hosts ファイルを参照
↓
③ [リゾルバ(プロバイダーのDNSサーバー)に問い合わせ]
インターネットプロバイダー(ISP)が管理するDNSサーバーに問い合わせ
↓
④ [ルートDNSサーバーに問い合わせ]
「.com のTLDサーバーはどこ?」と聞く
→ TLDサーバーのアドレスを返す
↓
⑤ [TLDサーバーに問い合わせ]
「example.com の権威DNSサーバーはどこ?」と聞く
→ 権威DNSサーバーのアドレスを返す
↓
⑥ [権威DNSサーバーに問い合わせ]
「www.example.com のIPアドレスは?」と聞く
→ 「93.184.216.34」というIPアドレスを返す
↓
⑦ [IPアドレスを取得してHTTP接続]
ブラウザが 93.184.216.34 のサーバーにHTTPリクエストを送信この一連の処理は通常、数十ミリ秒〜数百ミリ秒で完了します。キャッシュが有効な場合はさらに高速です。
ドメインの取得方法
Section titled “ドメインの取得方法”独自のドメイン名を取得するには、レジストラ(Registrar)というドメイン登録業者を利用します。
主なドメインレジストラの例:
- お名前.com(国内最大手)
- Cloudflare Registrar(コスト重視・管理機能充実)
- Namecheap(海外サービス・リーズナブル)
- Google Domains → Squarespace Domains(Googleが事業売却)
取得の一般的な手順:
- レジストラのサイトで希望のドメイン名を検索
- 空いていれば購入(年間数百円〜数千円程度)
- DNS設定で、取得したドメインを使用するサーバーのIPアドレスを登録
.comの場合、年間1,000〜2,000円程度が目安です。人気のドメイン名や.ioなどの特定TLDはより高くなることがあります。
よくある疑問:www.example.com と example.com の違い
Section titled “よくある疑問:www.example.com と example.com の違い”www.example.comとexample.comは、厳密には別々のアドレスです。
example.comはドメインそのもの(ルートドメイン または ネイキッドドメイン と呼ぶ)www.example.comはwwwというサブドメインを付けたアドレス
現代のウェブサービスでは、多くの場合example.comとwww.example.comの両方に同じサーバーを向けており、どちらでアクセスしてもページが表示されます。リダイレクト設定で一方をもう一方へ転送することが一般的です。
歴史的には、wwwは「これはウェブサーバーです」を示すサブドメインとして使われてきました。現在は省略されることも多くなっています。
- ドメイン名 はIPアドレスに対応する人間向けの名前
- ドメインは TLD・セカンドレベルドメイン・サブドメイン で構成される
- DNS はドメイン名をIPアドレスに変換するシステム(電話帳の役割)
- DNS解決はリゾルバ→ルートDNS→TLDサーバー→権威DNSサーバーの順で行われる
- レジストラ からドメインを購入して独自ドメインを取得できる
よくある質問
Section titled “よくある質問”Q: DNSの変更はすぐに反映されますか?
A: 反映されるまでに最大48〜72時間かかることがあります。これは「DNS伝播(DNS propagation)」と呼ばれ、世界中のDNSサーバーが最新の情報に更新されるまでの時間です。実際は数時間で反映されることが多いですが、余裕を持ったスケジュールで作業することが推奨されます。
Q: 同じドメイン名を2人が取得することはできますか?
A: できません。ドメイン名は世界で一意です。先に取得した人が使用権を持ちます。希望のドメイン名がすでに取得されている場合は、別のTLD(.net・.ioなど)を検討するか、異なるドメイン名を選択する必要があります。
Q: 無料でドメインを取得する方法はありますか?
A: github.io(GitHub Pages)やvercel.app(Vercel)などのサービスが提供するサブドメインは無料で利用できます。独自ドメイン(yourdomain.comなど)は基本的に有料です。
このページへのリンク(英語): Domains and DNS