ターミナル基本コマンド
ターミナルの基本コマンドとは、ファイルの表示・移動・作成・削除など、コンピュータ上のファイル操作をテキストコマンドで行うための命令群です。エンジニアはこれらのコマンドを毎日使い、プロジェクトの管理や開発環境の構築を行います。
ここでは、エンジニアが日常的に使うターミナルコマンドを学びます。すべてを一度に覚える必要はありません。実際に手を動かしながら、少しずつ身につけていきましょう。
対象読者: ターミナルを開いたことはあるが基本コマンドに自信がない方
学習時間の目安: 読了 15分 + 実践 15分
前提知識: ターミナルとは を読んでいること
コマンド一覧
Section titled “コマンド一覧”| コマンド | 意味 | 主な使い方 |
|---|---|---|
pwd | 現在地を表示 | pwd |
ls | ファイル・フォルダ一覧 | ls、ls -la |
cd | ディレクトリ移動 | cd Documents、cd ..、cd ~ |
mkdir | フォルダ作成 | mkdir my-project |
touch | ファイル作成 | touch index.html |
rm | ファイル・フォルダ削除 | rm file.txt、rm -rf folder/ |
cp | ファイル・フォルダをコピー | cp a.txt b.txt |
mv | ファイル・フォルダを移動・リネーム | mv old.txt new.txt |
cat | ファイルの内容を表示 | cat README.md |
open . | 現在のフォルダを Finder で開く | open . |
clear | 画面をクリア | clear または Ctrl + L |
各コマンドの詳細
Section titled “各コマンドの詳細”pwd — 今いる場所を確認する
Section titled “pwd — 今いる場所を確認する”Print Working Directory の略です。現在作業しているフォルダの場所(パス)を表示します。
pwd実行すると、次のように表示されます。
/Users/username実務での使い方: ターミナルで作業中に「今どこにいるか」わからなくなったとき(特に cd を何度も使った後)に、まず pwd を実行して現在地を確認します。迷子になったときに最初に実行するコマンドです。
ls — ファイルとフォルダの一覧を見る
Section titled “ls — ファイルとフォルダの一覧を見る”List の略です。現在のフォルダにある内容を表示します。
ls-la オプションを付けると、隠しファイルも含めた詳細情報が表示されます。
ls -latotal 48
drwxr-xr-x 8 username staff 256 Mar 21 10:00 .
drwxr-xr-x 12 username staff 384 Mar 20 09:00 ..
-rw-r--r-- 1 username staff 1234 Mar 21 10:00 README.md
drwxr-xr-x 5 username staff 160 Mar 21 10:00 src. で始まるファイル・フォルダは「隠しファイル」です。通常の ls では表示されませんが、-la で確認できます。
実務での使い方: 新しいフォルダに移動したとき、プロジェクトに何のファイルがあるか確認したいとき、.env などの隠しファイルが存在するか確認したいときに使います。
cd — フォルダを移動する
Section titled “cd — フォルダを移動する”Change Directory の略です。作業するフォルダを切り替えます。
# ホームフォルダに移動
cd ~
# 「Documents」フォルダに移動
cd Documents
# 1つ上のフォルダに戻る
cd ..
# 2つ上のフォルダに戻る
cd ../..
# パスを直接指定して移動
cd /Users/username/Documents/my-projectヒント:
cdの後にフォルダ名を入力する途中でTabキーを押すと、名前が自動補完されます。
実務での使い方: 開発プロジェクトのフォルダに移動してから npm run dev を実行する、特定のフォルダのファイルを確認する、といった場面で毎日使います。
mkdir — フォルダを作成する
Section titled “mkdir — フォルダを作成する”Make Directory の略です。新しいフォルダを作成します。
mkdir my-project-p オプションを使うと、存在しない中間フォルダも含めて一度に作成できます。
mkdir -p my-project/src/components実務での使い方: 新しいプロジェクトを開始するとき、整理のためにサブフォルダを作成するとき、スクリプトでフォルダ構造を自動生成するときに使います。
touch — ファイルを作成する
Section titled “touch — ファイルを作成する”空のファイルを作成します。
touch index.html
touch README.md
touch .env実務での使い方: 新しいファイルを作成するとき、特に .env(環境変数ファイル)や設定ファイルの雛形を作るときによく使います。
rm — ファイル・フォルダを削除する
Section titled “rm — ファイル・フォルダを削除する”Remove の略です。ファイルを削除します。
# ファイルを削除
rm old-file.txtフォルダごと削除するには -rf オプションを使います。
rm -rf old-folder/警告:
rm -rfで削除したファイルはゴミ箱に入らず、即座に完全削除されます。復元できないため、実行前に必ず対象を確認してください。特にrm -rf /やrm -rf ~/は絶対に実行しないでください。
実務での使い方: 不要になったファイルやフォルダを削除するとき、node_modules フォルダ(依存パッケージが入る大量のファイル)を削除して再インストールするとき(rm -rf node_modules && npm install)に使います。
cp — ファイル・フォルダをコピーする
Section titled “cp — ファイル・フォルダをコピーする”Copy の略です。
# ファイルをコピー
cp README.md README.md.backup
# フォルダをコピー(-r オプション必須)
cp -r src/ src-backup/実務での使い方: 設定ファイルのバックアップを作るとき、テンプレートからファイルを複製するとき、.env.example を .env にコピーして環境変数を設定するときに使います。
mv — ファイル・フォルダを移動・リネームする
Section titled “mv — ファイル・フォルダを移動・リネームする”Move の略です。移動にもリネームにも使います。
# ファイルを別のフォルダへ移動
mv index.html src/index.html
# ファイル名を変更(リネーム)
mv old-name.txt new-name.txt実務での使い方: ファイルを正しいフォルダに整理するとき、ファイル名を変更するとき(ファイルの内容が変わったとき)に使います。
cat — ファイルの内容を表示する
Section titled “cat — ファイルの内容を表示する”Concatenate の略です。ファイルの中身をターミナル上に表示します。
cat README.md
cat package.json実務での使い方: 設定ファイルの内容を素早く確認するとき、package.json でプロジェクトの依存関係を確認するとき、ログファイルの内容を確認するときに使います。
open . — Finder で開く(Mac)
Section titled “open . — Finder で開く(Mac)”現在のフォルダを Finder(ファイルマネージャー)で開きます。ターミナルと GUI を行き来するときに便利です。
open .特定のファイルをデフォルトアプリで開くこともできます。
open index.html実務での使い方: ターミナルで移動したフォルダを Finder でも確認したいとき、生成されたファイルをブラウザで開きたいとき(open index.html)に使います。
clear / Ctrl + L — 画面をクリアする
Section titled “clear / Ctrl + L — 画面をクリアする”ターミナルの画面をきれいにします。過去のコマンド履歴が見えなくなるだけで、作業内容は消えません。
clearまたは Ctrl + L キーで同じ効果があります。
時短テクニック
Section titled “時短テクニック”Tab 補完(最重要)
Section titled “Tab 補完(最重要)”コマンドやファイル名を途中まで入力して Tab キーを押すと、自動で補完されます。
cd Doc[Tab]
# → cd Documents/ と補完される候補が複数ある場合は、もう一度 Tab を押すと候補一覧が表示されます。Tab 補完を使うと、入力ミスを防げるだけでなく、作業速度が大幅に上がります。
上下キーでコマンド履歴を参照
Section titled “上下キーでコマンド履歴を参照”↑ キーを押すと、直前に実行したコマンドが表示されます。繰り返し実行したいコマンドを再入力する手間が省けます。
↑ # 1つ前のコマンド
↑ # 2つ前のコマンド
↓ # 1つ次のコマンド(新しい方へ)実践:プロジェクトフォルダを作ってファイルを作成する
Section titled “実践:プロジェクトフォルダを作ってファイルを作成する”以下の手順で、実際にコマンドを使ってプロジェクトフォルダを作成してみましょう。エンジニアが新しいプロジェクトを始めるときの一般的な流れです。
# 1. ホームフォルダに移動
cd ~
# 2. 今いる場所を確認
pwd
# → /Users/username
# 3. Documents フォルダに移動
cd Documents
# 4. プロジェクトフォルダを作成
mkdir my-first-project
# 5. 作成したフォルダに移動
cd my-first-project
# 6. フォルダ内を確認(空のはず)
ls
# 7. ファイルを作成
touch index.html
touch README.md
# 8. 作成されたか確認
ls
# → index.html README.md
# 9. README.md にテキストを書き込む
echo "# My First Project" > README.md
# 10. 内容を確認
cat README.md
# → # My First Project
# 11. Finder で開いて確認
open .この手順を通じて、cd・pwd・mkdir・touch・ls・echo・cat・open の8つのコマンドを実際に使えます。
実務シナリオ:既存プロジェクトで作業する
Section titled “実務シナリオ:既存プロジェクトで作業する”実際の開発現場では、次のような流れでターミナルを使います。
# 1. プロジェクトフォルダに移動
cd ~/Documents/projects/my-app
# 2. 現在のファイル構成を確認
ls -la
# 3. 設定ファイルの内容を確認
cat package.json
# 4. 新しいコンポーネントフォルダを作成
mkdir -p src/components/Button
# 5. コンポーネントファイルを作成
touch src/components/Button/Button.tsx
touch src/components/Button/index.ts
# 6. 作成されたか確認
ls src/components/Button/
# 7. 開発サーバーを起動(npm コマンド)
npm run devよくあるミスと対処法
Section titled “よくあるミスと対処法”cd: no such file or directory
Section titled “cd: no such file or directory”指定したフォルダが存在しないか、スペルが間違っています。
# NG: スペルミス
cd Docuemnts
# OK: Tab 補完を使う
cd Doc[Tab]Permission denied
Section titled “Permission denied”そのファイルやフォルダへのアクセス権がありません。システムファイルを操作しようとしている可能性があります。通常の学習では、ホームフォルダ(~/)内で作業すれば Permission denied は起きません。
コマンドが止まったまま動かない
Section titled “コマンドが止まったまま動かない”Ctrl + C を押すと、実行中のコマンドを中断できます。ターミナルが固まったように見えるときに使います。
間違ったフォルダで作業してしまった
Section titled “間違ったフォルダで作業してしまった”pwd で現在地を確認し、cd ~ でホームフォルダに戻ってから、正しいフォルダに移動し直しましょう。
rm -rf で大事なファイルを削除してしまった
Section titled “rm -rf で大事なファイルを削除してしまった”rm コマンドはゴミ箱を経由せず即座に削除します。削除前に ls でファイル名を確認する習慣をつけましょう。また、重要なファイルは cp でバックアップを作ってから操作することを推奨します。
次のステップ: Homebrew のインストール