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Homebrew - Mac のパッケージマネージャー

Homebrew(ホームブリュー)とは、Mac 用のパッケージマネージャーです。開発ツールやコマンドラインアプリケーションを、ターミナルから簡単にインストール・管理できます。

「開発者向けの App Store」と考えるとわかりやすいです。App Store がアプリを管理するように、Homebrew は開発ツールをコマンド 1 行で管理します。

対象読者: Mac を使い始めたエンジニア・開発者の方

学習時間の目安: 読了 10分 + 実践 15分

前提知識: ターミナルの基本操作(cdls など)

なぜエンジニアが Homebrew を使うのか

Section titled “なぜエンジニアが Homebrew を使うのか”

Mac では標準の状態で開発ツール(git の最新版・Python・Node.js など)がインストールされておらず、公式サイトから手動でダウンロード・インストールする必要があります。Homebrew を使うと次のメリットがあります。

  • インストールがコマンド 1 行で完了する — ブラウザでページを開いて、ダウンロードして、.dmg を開いて…という手順が不要
  • アップデートを一括管理できるbrew upgrade の 1 コマンドで、インストール済みのすべてのツールを最新版に更新できる
  • 何を入れたか記録が残るbrew list でインストール済みツールの一覧を確認でき、新しい Mac に移行するときも再現しやすい

ターミナルを開き、次のコマンドを 1 行丸ごとコピーして実行します。

/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"

実行すると、インストールに必要な内容が表示され、途中でパスワードの入力を求められます。Mac のログインパスワードを入力してください(入力中は文字が表示されませんが、正常です)。

インストールには数分かかります。完了するまでターミナルを閉じないでください。

Apple Silicon (M1/M2/M3/M4) vs Intel の違い

Section titled “Apple Silicon (M1/M2/M3/M4) vs Intel の違い”

Mac のチップの種類によって、Homebrew のインストール先が異なります。

Mac の種類チップインストール先
2020年以降の Mac(多くの場合)Apple Silicon(M1〜M4)/opt/homebrew/
2020年以前の MacIntel/usr/local/

自分の Mac のチップを確認するには、画面左上のリンゴマーク → 「この Mac について」を確認してください。

M1 / M2 / M3 / M4 チップを搭載した Apple Silicon Mac では、インストール後に追加のパス設定が必要です。インストール完了後、ターミナルに次のような指示が表示されます。

# インストーラーが表示する指示の例(Apple Silicon の場合)
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"

これらのコマンドをそのまま実行してください。実行後、新しいターミナルのウィンドウを開くと Homebrew が使えるようになります。

ターミナルで次のコマンドを実行して、バージョンが表示されれば成功です。

brew --version
Homebrew 4.x.x

Homebrew でインストール vs 公式サイトからダウンロード

Section titled “Homebrew でインストール vs 公式サイトからダウンロード”

多くの開発ツールは、公式サイトからもダウンロードできます。どちらを使うべきか迷ったときの判断基準を整理します。

比較項目Homebrew公式サイト(.dmg / .pkg)
インストール方法コマンド 1 行ブラウザでダウンロード + 手動インストール
アップデートbrew upgrade で一括更新各アプリを手動で更新(またはアプリ内の自動更新)
アンインストールbrew uninstallアプリを手動削除(設定ファイルが残る場合も)
管理のしやすさ一元管理(何を入れたかわかる)アプリごとにバラバラ
GUI アプリ対応--cask オプションで可能標準的な方法
向いているものCLI ツール・開発用ライブラリ商用アプリ・特殊なインストーラーが必要なもの

Homebrew で入れることを推奨するもの(開発ツール・CLI ツール):

  • git — バージョン管理
  • gh — GitHub CLI
  • node または nvm — Node.js・バージョン管理
  • pyenv — Python バージョン管理
  • wget, curl — ファイルダウンロード
  • jq — JSON 操作
  • tree — ディレクトリツリー表示

公式サイトからダウンロードする方が適しているもの:

  • Adobe Creative Cloud(専用インストーラーが必要)
  • 1Password(公式インストーラーで最新セキュリティ対応)
  • 特殊なドライバーやシステムレベルのツール

どちらでも問題ないもの(Homebrew Cask でも管理可能):

  • VS Code — brew install --cask visual-studio-code
  • Google Chrome — brew install --cask google-chrome
  • Slack — brew install --cask slack
  • Zoom — brew install --cask zoom

これらは Homebrew Cask 経由でインストールすると、brew upgrade --cask で一括更新できる利点があります。

brew install <package>          # パッケージをインストール
brew install --cask <app>       # GUI アプリをインストール
brew uninstall <package>        # パッケージをアンインストール
brew update                     # Homebrew 自体を更新
brew upgrade                    # すべてのパッケージを更新
brew upgrade <package>          # 特定パッケージのみ更新
brew list                       # インストール済み一覧を表示
brew list --cask                # インストール済み Cask(GUI アプリ)一覧を表示
brew search <keyword>           # パッケージを検索
brew info <package>             # パッケージ情報を確認
brew doctor                     # 問題を診断
brew cleanup                    # 古いバージョンのキャッシュを削除
# git をインストールする
brew install git

# VS Code を Cask でインストールする
brew install --cask visual-studio-code

# インストール済みパッケージを確認する
brew list

# Homebrew 自体と全パッケージをまとめて更新する
brew update && brew upgrade

# 診断を実行して問題がないか確認する
brew doctor

エンジニアリング環境に必要な主要パッケージ

Section titled “エンジニアリング環境に必要な主要パッケージ”

開発環境の構築に最初から入れておくと便利なパッケージをまとめました。

パッケージインストールコマンド用途
gitbrew install gitバージョン管理(最新版を使いたい場合)
ghbrew install ghGitHub CLI(プルリクエストやイシューをターミナルで操作)
nvmbrew install nvmNode.js バージョン管理
pyenvbrew install pyenvPython バージョン管理
wgetbrew install wgetURL からファイルをダウンロード
jqbrew install jqJSON データの整形・操作
treebrew install treeフォルダ構造をツリー表示
VS Codebrew install --cask visual-studio-codeコードエディタ
# 開発ツールをまとめてインストールする例
brew install git gh nvm pyenv wget jq tree
brew install --cask visual-studio-code

GUI アプリのインストール(Cask)

Section titled “GUI アプリのインストール(Cask)”

Homebrew では、ターミナルツールだけでなく、GUI アプリ(通常の Mac アプリ)もインストールできます。--cask オプションを使います。

# VS Code をインストール
brew install --cask visual-studio-code

# Google Chrome をインストール
brew install --cask google-chrome

# Rectangle(ウィンドウ管理アプリ)をインストール
brew install --cask rectangle

--cask でインストールしたアプリは、通常のアプリと同様に「アプリケーション」フォルダに配置され、Launchpad や Spotlight から起動できます。

Homebrew がインストールされていないか、パスが設定されていません。

  1. まず Homebrew がインストールされているか確認: ls /opt/homebrew/bin/brew(Apple Silicon の場合)
  2. インストールされているがコマンドが見つからない場合 → パス設定が必要です
# Apple Silicon Mac の場合
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
source ~/.zprofile

Apple Silicon で brew のコマンドが見つからない

Section titled “Apple Silicon で brew のコマンドが見つからない”

/opt/homebrew/bin にパスが通っていない可能性があります。

# パスが設定されているか確認
echo $PATH

# パスを追加(~/.zprofile に追記)
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"

brew doctor を実行すると、設定の問題を診断してくれます。

brew doctor

Your system is ready to brew. と表示されれば問題ありません。警告が出た場合は、表示された指示に従って修正してください。一部の警告は無害なものもあるため、エラーメッセージをよく読んで判断してください。

パッケージのインストールエラー

Section titled “パッケージのインストールエラー”
# まず Homebrew 自体を更新してから再試行
brew update
brew install <package>

# それでも解決しない場合は診断を実行
brew doctor

Q: 既にインストールしているアプリを Homebrew で入れ直す必要がありますか?

A: 必須ではありません。ただし、Homebrew 経由で管理すると brew upgrade でまとめて更新できて便利なため、移行する開発者も多くいます。特に CLI ツール(git, wget など)は Homebrew で管理するメリットが大きいです。

Q: brew install でエラーが出た場合は?

A: まず brew doctor を実行してください。表示された指示に従って修正すると、多くの問題が解決します。それでも解決しない場合は、エラーメッセージをそのまま検索するか、Homebrew GitHub Issues を確認してください。

Q: Homebrew はアンインストールできますか?

A: はい。Homebrew 公式サイトにアンインストール手順が記載されています。

Q: brew updatebrew upgrade の違いは何ですか?

A: brew update は Homebrew 自体のデータベース(どんなパッケージが利用可能かの情報)を更新します。brew upgrade は実際にインストール済みパッケージを新しいバージョンに更新します。通常は brew update && brew upgrade の順で両方実行します。

Q: インストールしたパッケージを確認する方法は?

A: brew list で CLI ツール、brew list --cask で GUI アプリの一覧が表示されます。